長野県の安曇野と言えば人気の観光地ですが、安曇野市街から車で30分以上かかる山の奥にある中房温泉も温泉ファンに人気の温泉宿です。敷地が広く点在して温泉があり、1軒の宿なのに外湯巡りを楽しめる温泉宿となっています。全部で14箇所も温泉があり、更に地熱浴場や日帰り入浴施設も含めれば16箇所も温泉を楽しめるようになっています。
中房温泉へのアプローチ・アクセス
中房温泉へは自動車の場合は長野自動車道「安曇野」で降りて1時間ほど。公共交通機関の場合は、JR大糸線「穂高駅」からバスで1時間ほどとなっています。なお、バスは冬季は運行していません。
もっとも中房温泉までの道が冬季は閉鎖されるため冬場は車で行く事が出来ません。ただし宿の本館は営業をしているので4~5時間雪道を歩く事が出来るのなら宿泊する事は出来ます。
割りと細いくねくねした山道を30分以上登っていきます。中房温泉の標高は約1450メートルあります。夏場でも夜はエアコンなしでOKな場所です。逆に秋や春だと寒い事も。
バスの終点はロータリーになっています。中房温泉へはここから徒歩5分くらいです。
宿泊者及び登山者以外は敷地内には立入禁止となっています。
日帰り入浴施設が入り口の近くにあるので、温泉だけならここで入る事が出来ます。ここから更に数分歩くと宿が見えてきます。
中房温泉について
中房温泉は大きく分けて2つの棟になっています。本館(旧館)と新館です。
新館は比較的綺麗でトイレ・バス付きの部屋もあり食事もグレードがよくなっています。上が新館の入り口です。
旧館ははっきり言えばボロボロです。ただし改装を行っており、少しずつ綺麗にはなっているそうです。
旧館の部屋
今まで4回ほど宿泊していますが、すべて旧館です。
見ての通り、普通の和室です。トイレは共同で正直悪臭が漂っています。それも味と言えば味なのかもしれません。
上記の部屋は6畳ですが8畳くらいの部屋が2間続いている大きな部屋もあります。温泉仲間といつも宿泊していたので大きな部屋で雑魚寝をしている事が多かったかな。
で連泊して麻雀三昧になる時も(^_^;)
館内付近
館内の付近を散策するのも楽しいですよ。
ここでゆで卵を作る事も出来ます。
飲泉場の水も美味しい!
中房温泉の温泉 本館・旧館側
中房温泉には12箇所の温泉がありますが、4回宿泊してもまだ入っていない温泉もありますが、入った事のある温泉を紹介していきます。まずは本館(旧館)側にある温泉から。
不老泉
中房温泉の中でも一番好きな温泉です。内湯ですが半露天風呂気分も味わえます。
本館(旧館)にあります。渡り廊下を通っていきます。
不老泉の建物を外から見たのが上記の写真です。本館のトイレは和式で匂いもきついのですが、不老泉のある建物には洋式のトイレがあるので、宿泊の時はいつもここのトイレを利用しています。
なお、不老泉は混浴です。女性専用時間もありますよ。
渡り廊下を渡って手前が男性用の脱衣所、奥に向かっていくと女性用の脱衣所となっており、脱衣所そのものはわかれています。
こちらが不老泉です。右側が明るくなっていますがそのまま外に通じています。これだけ大きく開いているので半露天風呂風にもなっています。
脱衣所には一応衝立があります。
お湯はちょっと熱いかな?と思える42度~44度くらいの事が多かったです。アルカリ性特有のヌルヌル感がある泉質で源泉掛け流しとなっています。
夜中に何度も入ってしまう温泉です。
大湯
大湯は男女別の露天風呂になっています。
本館を入ってすぐにある温泉です。男女別になっており中に入ると階段があって1つ下がるようになっています。
湯船はそれほど大きくなく2~3人向き
シャワーもあって身体を洗えるようになっています。
朝に入った時の写真です。
御座の湯
中房温泉の中でももっとも古い温泉で、松本藩主も入ったとか。男女別の内湯となっています。
一番雰囲気がよく、木製の湯船はゆっくりと浸かる事が出来ます。
中房温泉の温泉 新館側
新館側にもお風呂は豊富にあります。
大浴場
大浴場は混浴の内湯となっていますが、女性専用時間もあります。
朝だとお湯が貯まっていない事もあります。中央に丸太を削ってお湯が注ぐようになっています。かけ湯もこのお湯を使いますが、結構熱いのが難点かな。
たまに女性がどうなっているか女性側の脱衣所から覗く事があるのですが、中には女性専用のお風呂かと思って入ってきてしまう人も。男性がいて「キャ!」と言って戻った人がいました(笑)
お湯は熱めになっています。42~43度くらいかな。
岩風呂
露天風呂の温泉です。ここも混浴ですが女性専用時間があります。
湯船の中央に岩を寄せて作られた塔みたいなものがあり、ここからお湯が流れてきています。
中房温泉では館内にある唯一の露天風呂です。館内ではなく外にはいくつか露天風呂がありますが。
薬師の湯
家族風呂として入れる温泉ですが、湯船だけがポツンとあります。
これとは別に家族湯もありますが湯船が木になっています。
中房温泉の温泉 外湯
中房温泉には館内に併設された温泉以外にも敷地内にいくつか点在して露天風呂等があります。
白滝の湯
旧館側の裏にあり、歩いて10分くらいかかるところにあります。1人で行くのには少し怖いかな。
山道を10分くらい歩くのでサンダルで行くのはお薦め出来ません。靴でいくのが良いでしょう。源泉掛け流しであまり温度調整をしていないためか激熱の時もありました。なお、ここも混浴です。
菩薩の湯
宿泊棟からは歩いて5分くらいかな。2番めに遠い露天風呂です。入り口に近いところにあります。ここも混浴となっています。
ここは比較的ぬるい時が多かったように思います。
根っこ風呂
3番目に遠い露天風呂で混浴ですが、むしろ1人用のお風呂です。
僕の身体では1人でも狭いくらい(^_^;)
月見の湯
宿泊棟から比較的近くにあるのが月見の湯です。ここも混浴になっています。
昼間に入るとどうってことの無い露天風呂ですが晴れた日の夜に入ると名前の通り、月見風呂を楽しめる露天風呂です。夜中に1人でぼ~っと入るのに最適な温泉でした。
温泉プール
温泉プールという名前の通り、プールです。でも水着を来て泳いでいる人を見た事が無い(^_^;)
混浴と言って良いものか悩みますが、裸で入っている人が多いので混浴と言っても良いのでしょうね。
コースロープもきちんと張られています。
晩秋になるとぬるくて、しかも掃除をしていないようで入れなくなるというか入りたくなくなります。10月初旬くらいまでは綺麗になっていますよ。
地熱浴場
地熱が高く、その上に木が張ってありゴザを敷いて岩盤浴のようにして身体を温めるものです。
でも、利用している人を見た事が無い(^_^;)
滝の湯
宿の裏側にある貸切浴場です。中の写真は撮り忘れていました(^_^;)
錦の湯(足湯)
宿の裏側にある錦の湯は足湯になっています。
裏山に行った後にここで足湯温めて疲れを取るのにも良いですよ。
焼山で地獄蒸し料理を堪能する
中房温泉に行くのならお薦めしたいのが裏山である焼山での地獄蒸し。
宿の裏側にある山には地熱が高いところがあり、その地熱を使った蒸し料理を作れるようになっています。宿から山道を20分くらい登った先にあります。
材料をアルミ箔で包み、出来れば砂が入らないように布で包み、ネットに入れておきます。布は必要なくなったTシャツが良いかな。
そして掘ります。
埋めます。食材や大きさで時間は異なりますが20分~40分くらい待ちます。掘り出して出来上がりです!
ソーセージや芋類、かぼちゃ等、蒸して美味しいものならほとんどのものがOKです。ゆで卵も作る事が出来ます。秋ならきのこ類も美味しいですよ。
チェックインは15時からですが、地獄蒸しをするのなら12時くらいに仮のチェックインだけさせてもらい、焼山で地獄蒸しを楽しんだ後にチェックインをする事も出来ます。連泊なら中日に行う事も。
材料は自前で持っていくのもよし、宿に頼んでおく事も出来ます。
中房温泉の食事
新館であれば、部屋食も可能ですし、割りと豪華な食事になりますが本館だと食堂で一斉に山小屋料理に近い食事となります。
まさに食堂って感じですよね。
夕食は6時から
夕食は6時から一斉にいただきます。
過去の夕食をご紹介します。連泊すると1日目と2日目で同じ内容にならないように工夫はしてくれます。
この時は天ぷらと鱒のお刺身がメインでした。
魚が苦手な友人には馬刺しが出ていました。
別の日の夕食。陶板焼きがメインでした。
カレイの唐揚げはよく出るメニューです。
下記はまた別の日の夕食です。
そんなに美味しい料理ではありません。食事だけを見ると高く感じる宿だとよく言われています。
朝食
こうやってみると朝食はいつもあまり変わりません。目玉焼きの時もあれば湯豆腐の時もあります。
登山客にはお弁当に切り替えてもくれますよ。
中房温泉の評判・口コミ
中房温泉の評判や口コミですが、温泉に関して言えば凄く高評価を得ている事が多いです。ただし食事についてはあまり評価は高くありません。特に旧館に泊まった場合は部屋と食事内容から高いと感じる人もいます。ただし、それを打ち消せるほどの温泉と良さと温泉の豊富さがあり、トータルでは「それなりに良い温泉宿」となっている事が多いと言えます。
個人的には旧館のトイレの匂いだけはどうにかして欲しいと思います。
また、燕岳等の前泊宿として使われる事もよくあります。
中房温泉 基本情報
- 施設名 中房温泉
- 住所 〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明7226
- 電話 0263-77-1488
- お風呂 男女別内湯 混浴露天風呂 家族風呂 等
- 入浴料 日帰り入浴不可(日帰り入浴専用施設は700円 9:30~16:00)
- 訪問日時 2006年10月25日 他 複数回宿泊
- ph 8.2~
- お湯の色 無色
- 泉質 単純硫黄泉
ここは、日本秘湯を守る会の宿にもなっています。
過去に楽天トラベルやるるぶトラベルから予約が出来た時もありますが、現在は予約出来ないようになっていました。